コナンエピソード“ONE”小さくなった名探偵と原作とアニメ1話との違いは？矛盾点の考察は？

毎回劇場版名探偵コナンの冒頭で「俺は高校生探偵の工藤新一」と語られる新一がコナンになった経緯。
新一が幼児化した名探偵コナン第1話が、時折蘭やコナンの回想として語られる新一の頃の思い出と共にまとめられたのが「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」です。
しかしこの「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作コミック、アニメ1話「ジェットコースター殺人事件」とでは異なる点があることを皆さんご存じですか？
今回は名探偵コナン「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作コミック、アニメ「ジェットコースター殺人事件」との違いをご紹介していきます。さらに矛盾点を考察してみたいと思います。

名探偵コナン登場人物

今回はレギュラーキャラクターの登場が多いものの、ちらっと登場するだけのキャラも多いので軸となるふたりのみご紹介します。
工藤新一(くどうしんいち)/山口勝平さん
　高校生探偵
　ジェットコースター殺人事件の解決後に薬を飲まされて体が幼児化する
毛利蘭(もうりらん)/山崎和佳奈さん
　新一の幼馴染

その他の登場人物についてはその都度ご紹介していきます。

「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作とアニメ1話ジェットコースター殺人事件との違いは？

初めに「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と元となった原作、アニメ1話ジェットコースター殺人事件との違いを簡単にまとめていきます。

まずは基準となる原作第1話。
原作は新一が事件を解決するシーンから始まり、新一が高校生探偵として注目されているところから始まります。
最初の事件は犯人を名指しする直前から始まっているため、詳細は不明です。
そして新一と蘭は二人で遊びに来ていたトロピカルランドのジェットコースターに乗っているときに殺人事件に巻き込まれてしまいます。
新一は無事にジェットコースター殺人事件を解決するも怪しい黒ずくめの男に薬を飲まされて幼児化してしまい、警察に発見されるまでが描かれています。

描かれている内容については、アニメ版でもほとんど同じです。では何が違うのでしょうか？

「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作とアニメ1話との違い　その1)

原作とアニメ版の最も大きな違いは後にコナンと少年探偵団を結成する、小嶋元太、円谷光彦、吉田歩美が登場しているという事です。
アニメは小さな子たちがストーリーに入りやすいことを考えてなのか、元太達もトロピカルランドに遊びに来ていて事件に関係する展開となっています。
この原作にはない少年探偵団の登場は、アニメ初期における他の事件でも同じです。

「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作とアニメ1話との違い　その2)

そして「エピソード“ONE”」。
こちらは原作よりも少し前から物語が描かれています。
新一と蘭がトロピカルランドに行く約束をしたところから物語が始まるのです。
そしてラストは原作やアニメよりも少し進んでいます。
幼児化した新一が、隣で暮らす阿笠博士に事情を話している途中に現れた蘭。
阿笠博士に幼児化のことはふたりだけの秘密と言われた新一がとっさに「江戸川コナン」と名乗るところまでが描かれています。
これは原作やアニメでは2話の冒頭に当たるシーンです。
実は原作やアニメの1話にコナンと言う名前は出てこないのですね。
それにしてもアニメ2話ではコナンが遊園地から自分の家に戻り、阿笠博士に事情を説明しさらに蘭にとっさに名前を答えたうえに誘拐事件を解決しています。
今では信じられないくらい盛りだくさんでスピーディーな展開ですね。

「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作とアニメ1話との違い　その3)

この「エピソード“ONE”」で注目したいのが、追加されたたくさんのエピソードです。
特に冒頭の事件につながるエピソードが詳細に描かれています。
例えばトロピカルランドに行く少し前、ふたりが蘭の親友鈴木園子（すずきそのこ）の家を訪れるシーンが追加されています。
このシーンが原作やアニメ版の冒頭で新一が解決する事件につながるのです。
原作とアニメでは推理シーンしか描かれていない最初の事件では、犯人の骨折した足が事件解決の重要なポイントとなっています。
この足について原作とアニメではさらっと描かれていますが、「エピソード“ONE”」では新一が園子の家でこの犯人と出会うシーンが追加されています。
そして原作やアニメでは医者から聞いたとなっていた骨折ですが、新一は園子の家で犯人の足が骨折していることに気付いたことになっています。

「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作とアニメ1話との違い　その4)

また「エピソード“ONE”」の冒頭で新一は蘭が空手のと大会で優勝したらトロピカルランドに行くと約束していました。
その試合の応援に来ていた新一でしたが、目暮警部か呼ばれての事件の捜査に駆け付けたのです。
この事件こそ、原作とアニメ冒頭の事件なのです。
ちなみに新一がこの事件に駆け付けるために試合を見なかったことに激怒した蘭、見事優勝したのでした。

「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作とアニメ1話との違い　その5)

ところで「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」での「ジェットコースター殺人事件」では原作同様、少年探偵団は登場しません。

ただし、前述したとおり、ストーリー全体に少年探偵団をはじめとしたいろいろなキャラクターが登場します。

例えば新一がサッカーボールを返すシーンがあり、その相手が知り合う前の元太達になっています。
その時に歩美は新一を見てサッカーのうまい友達がいたらと言ってます。

ちなみにこの時に原作とアニメでは蘭がサッカーを辞めた新一に対し「サッカーを続けていたら国立のヒーローになっていた」と言いますが、そのセリフは「サムライブルーのヒーローになっていた」へと変更されています。

また友人を一生懸命応援する園子に惚れたと言う蹴撃の貴公子、京極真（きょうごくまこと）。
原作にはない京極が園子に一目ぼれするシーンも描かれています。
このように1話には登場していたなった様々なキャラクターの意外な一面や伏線が見れるのがこの「エピソード“ONE”」の特徴です。
今ではコナンでおなじみの高木刑事や千葉刑事も登場していますし、別居中の蘭の母親妃英理（きさきえり）も電話でですが登場しています。
さらに怪盗キッドを一方的にライバル視する園子の親戚、鈴木次郎吉（すずきじろきち）もちょっとだけ登場しています。
また物語の途中に新一を幼児化した張本人であるジンとウォッカがトロピカルランドに行く打ち合わせをするシーンもあります。

ところで「エピソード“ONE”」では新一が壊した蘭の携帯を買いに行く話も描かれています。
結局買えなかった携帯ですが、これは後に新一が蘭に贈った携帯につながるエピソードとなっています。

「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作とアニメ1話「ジェットコースター殺人事件」との矛盾点を考察してみた！

原作とアニメの1話「ジェットコースター殺人事件」は少年探偵団が登場したこと以外はそこまで大きく変更がありません。
一方、「エピソード“ONE”」は時代の流れやその後の設定の変化からちょこちょこと変わっているシーンがあります。

一番気になったのがトロピカルランドについてです。
3作を共通して犯人は殺人の現場にトロピカルランドを選らんだ理由について「ふたりが最初にデートした場所」と言っています。
また劇場版「瞳の中の暗殺者」で蘭は「あの日から1度も行っていないんだよ新一と」と言っているので何度か一緒にトロピカルランドに行っているようです。

しかし「工藤新一水族館殺人事件」（原作84巻、アニメ774話）で新一は蘭に「今度東京にできるらしい」と誘っています。
「何よその楽しげな場所」と蘭はトロピカルランドのことを知らない様子です。
つまりコナン初期ではトロピカルランドという遊園地があり今まで新一と蘭も行ったことがあるという設定だったようですが、84巻の頃にトロピカルランドは新しくできる遊園地という設定に変わったようです。
新一はトロピカルランドがまだできていないときに蘭を誘っているので、蘭が都大会で優勝した前後にトロピカルランドはできたようです。
そしてできて早々に殺人事件が起きたことになります。
ただし「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」でも犯人は最初のデートできたと言っています。
そのため、初期の頃はもともとあって人気のあったトロピカルランドが、84巻の頃には新しくできた話題のスポットと言う扱いになているようです。
1つの作品中で矛盾が生まれてしまったのはどうなの？という気もしますが、長期連載で生まれてしまった矛盾はなかなか解消できないのですね。
たしかに初デートの思い出の場所での殺人ならわかりますが、新しくできたばっかりの思い出も何もない遊園地であんな派手な殺人はちょっと犯人の心理が理解できないですね。

エピソード“ONE”小さくなった名探偵と原作とアニメ1話ジェットコースター殺人事件のあらすじは？

「エピソード“ONE”」は新一が蘭をトロピカルランドに誘ったところから始まります。
これは原作83~84話、アニメ774話のラストになります。
水族館で起きた殺人事件を推理するために蘭の携帯を壊してしまった新一。
そして蘭に携帯を買うことに加えて空手の都大会で優勝したら新しくできるトロピカルランドに連れて行く約束をすることに。
休日に携帯を買いに出かけるも途中で園子に出会い、園子の家で客人にあって1日が終わったふたり。
その後空手の都大会が行われ、新一も応援に行くも途中で事件が起こって帰ってしまいます。
激怒のパワーで見事優勝する蘭、一方新一は見事事件を解決します。

そしてふたりはトロピカルランドに行きますがそこで「ジェットコースター殺人」に巻き込まれてしましました。

また作品の冒頭とラストに灰原哀（はいばらあい）こと宮野志保が研究者として出てきて新一が実は幼児化して生きていることに気が付くのもポイントです。

 

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「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」と原作とアニメ1話との違いまとめ

原作者青山剛昌先生の監修のもと第1話をリメイクした「エピソード“ONE”小さくなった名探偵」。
いろいろなエピソードが複雑に絡んで新一がコナンになった経緯を知っている視聴者も知らない視聴者も満足できるストーリーとなっています。
20年以上連載されているコナンには新一が保育園の時のストーリーや中学生時代のエピソードもあります。
また新一や蘭の過去を膨らませたストーリーが特別アニメになる機会があるかもしれませんね。